黄浦江から近い上海の中心地に位置する「豫園(よえん)」は、「外灘(わいたん)」と並ぶ上海で人気の観光地の一つです。
400年以上の歴史がある明代の伝統庭園とそれに隣接する商業エリア「豫園商城」は、当時にタイムスリップしたかのような歴史を感じさせる雰囲気が特徴。エリアに点在するおみやげ店や老舗レストランをめぐるのも楽しみの一つです。
唯一の難点はとにかく観光客が多いこと。時間帯によっては人酔いしそうになるほど混雑していることも・・・。
この記事では、上海のおすすめ観光地のひとつ「豫園エリア」についてまとめたいと思います。
Contents
豫園とは
豫園(読み方:よえん,英語:Yu garden,Yuyuan)は、上海市黄浦区にある明朝時代(1368~1644)の古典庭園。庭園の広さは約2ヘクタール(20,000平方メートル)あります。
四川省の行政長官であった「潘允端」が自分の父を愉しませるために1559年から1577年にかけて造園した私的な庭園だったそうです。1961年に一般公開されています。
豫園の場所と行き方
場所
豫園は上海市の中心部、黄浦江(こうほこう)そばに位置します。外灘や新天地からも近く外灘の南端からなら徒歩で20分程度です。
最寄り駅
豫園の最寄り駅は、上海地下鉄10号線「豫園駅」の1番出口です。
豫園駅からの行き方
豫園へのアクセスは地下鉄,タクシー,路線バス,シティ観光バス,徒歩などいろいろな方法がありますが地下鉄を利用するのが便利だと思います。
ここでは、地下鉄の豫園駅を下車してから豫園までの行き方を取り上げたいと思います。
豫園駅から豫園までは徒歩で約10分の道のり。まずは豫園駅から伸びる「福佑路」を黄浦江のある東に向かって歩いて行きます。福佑路沿いは、服飾品店や雑貨屋など多くの店舗や卸売が並ぶ賑やかな通りです。
上海老飯店
道なりにしばらく歩を進めると1875年創業の上海料理老舗レストラン「上海老飯店」が大きな交差点の角に見えてきます。この「上海老飯店」のすぐ裏手が豫園と豫園商城です。
豫園は、豫園駅から福佑路をまっすぐ。とてもわかりやすいですね。
豫園商城の見どころとおすすめ
豫園商城は、豫園の南西側に広がる熱気あふれる商業エリアです。朱塗りされた中国風の建物や印象的なオブジェなど観光客を意識して作られた景観が特徴のひとつ。
豫園商城内には様々な店舗があり、ぶらぶらと見て歩いているとついつい時間が経つのを忘れてしまうほど。中国っぽいアイテムを扱うおみやげ店や中国茶専門店,骨董品店,漢方薬店,レストラン,軽食店などがびっしりと軒を並べています。
デメリットはとにかく人出が多いこと。客足のピーク時には、さながら満員電車のような混雑具合です。ゆっくり見て回りたければ、平日の午前中など比較的空いている時間に訪れることをおすすめします。
おみやげ店
豫園商城にはオリジナリティ溢れるユニークなおみやげやレトロなグッズが数多く売っています。一風変わったおみやげが見つけられますよ。
食べ歩き「小吃(シャオチー)」
食べ歩きも豫園商城の楽しみの一つ。臭豆腐とよばれる発酵液につけた揚げ豆腐や定番の串刺し,ヨーグルトなどいろいろなスナックや軽食,ドリンクなどが売っています。
南翔饅頭店
日本の六本木ヒルズなどにも支店のある「南翔饅頭店」は人気のお店のひとつ。
写真の箱入り小籠包(しょうろんぽう)は12個入りで22元(約350円)。饅頭の中は肉汁たっぷりでとても美味しいですよ!
湖心亭と九曲橋
豫園前のメイン広場の池に建てられた上海で最も古い茶楼(創業1855年)と言われる「湖心亭」は一段と目を引く建物のひとつです。1980年代にはイギリスのエリザベス2世が訪れたことでも知られ、店内ではゆっくりとお茶を楽しむことができます。
茶楼の前にかかる橋は「九曲橋」。曲がりくねった橋の上からは、様々な角度から池の風景を楽しむことができ絶好の撮影スポットになっています。
緑波廊酒家
豫園前のメイン広場のもう一つの有名店が上海料理レストランの「緑波廊酒家」です。羽田元首相やアメリカのクリントン元大統領など国賓もしばしば訪れた名店です。
豫園のみどころ
豫園の入場券売場はメイン広場の池の北側にあります。
入場料と営業時間
入場料
入場料は、観光シーズンは40元,オフシーズンは30元。なお、高齢者(60才以上)と学生は半額、子供(身長130cm以下)は無料。
- 40元(4月~6月,9月~11月)
- 30元(7月~8月,12月~3月)
営業時間
8:45~16:15(閉園16:45)
豫園観光の所要時間
豫園の広さは約2ヘクタール(東京ドームグラウンド部分の約1.5倍)の広さがあります。
庭園内は想像以上に広く、三穂堂,万花楼,点春堂,会景楼,玉華堂,内園の6ヶ所からなるすべてのエリアを丁寧に観て回るには2~3時間かかると思います。動きやすい服装やスニーカーなどで観光することをおすすすめします。
三穂堂と江沢民の石碑
豫園正門を入ってすぐ目の前に現れるのは「三穂堂」とその前に鎮座する石碑です。
石碑には豫園建立440周年に際し、江沢民元国家主席が「海上名園 江沢民 1999年5月18日」と書き記しています。
三穂堂
三穂堂は1760年に再建築された豫園の重要建造物の一つ。釘を使わない建物内部には、豫園を造園した「潘允端」が撰文した『豫園記』が掛けられています。
大假山
豫園のハイライトとも言える場所の一つが仰山堂から眺める「大假山」です。数千トンの浙江省産武康黄石を積み上げた14メートルに及ぶ築山と池,庭木の調和がとてもきれいな庭園です。
点春堂
中国・清代の秘密結社「小刀会」が1853年に上海で武装蜂起した時に指令本部として使われたことでも知られているのが「点春堂」です。内部には当時使われた武器や資料が展示されています。
太湖石
中国庭園になくてはならない「太湖石」は、蘇州,無錫に面する太湖で切り出された石灰岩です。長期にわたる侵食によって削り出された彫刻品のような複雑な形が特徴。
豫園には多くの「太湖石」が使われていますが、玉華堂の南側にある3.3メートルの「玉玲瓏」は特に有名です。
豫園とその他上海の名所を巡るツアー
上海旅行に行ったら、中国らしい雰囲気のある豫園はぜひ行ってみたいですが、言葉が通じないからちゃんと買い物など楽しめるか不安のある方は、日本語ガイドが案内する現地ツアーに参加するのも一つの手です。
ほとんどのツアーは豫園だけでなく、他の上海観光スポットも巡るから、効率的に観光できると思います。また、現地在住のガイドさんにいろんな上海情報を聞けるのも楽しみの一つですね。
【外灘・豫園・浦東】上海の名所を一日でまわる!市内終日観光&変面ショーディナー【送迎付】|タビナカ
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豫園と豫園商城を観光した感想
豫園商城は古い時代の中国の雰囲気を体験できるエネルギッシュな観光エリアでした。カップルや仲間同士で食べ歩きが楽しいエリアでもあります。
一方、豫園内に一歩足を踏み入れると豫園商城とは打ってかわって、とても静かでゆっくりとした時間が流れる古典庭園を味わうことができます。歴史ある建物や池の中で泳ぐコイや亀を眺めるのも落ち着いていいものだと思いました。
なお、豫園商城内は人でごった返しています。貴重品はしっかり管理し、観光客を狙ったスリや置き引き,詐欺などに十分ご注意下さい。
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